フリーズドライヤーの用途による機種選定

フリーズドライ装置(フリーズドライヤー,真空凍結乾燥機)の用途による機種は様々なものが販売されています。食品の場合は、単に乾燥して、お湯でもとに戻れば良いので、真空凍結乾燥時に積極的にトレーに徐々に熱を加え、丸1日程度で早く乾燥させます。生物活性物質や医薬品、化粧品の原料では、熱を加えると変性するものがあります。その場合には乾燥を早めるためにトレーに温度をかけられない場合があります。では、どのようにしたら早く乾燥できるかというと、トラップの温度をより低くします。凍らしたものの温度とトラップの温度差は−60℃くらいは欲しいです。食品で、トレーの温度を20℃くらいに保っても良い場合には、−35〜40℃程度のトラップ温度で良いですが、熱で壊れてしまうものをフリーズドライする場合には、トレーを加熱しません。すると、なかなか乾燥しません。そこで、トラップ温度を−60〜−80℃まで下げて、効率よく乾燥できるようにします。

私どもが扱っている真空凍結乾燥機にも、冷凍機が1つで動いているものと、トラップ温度をより低い温度にするために、2つのコンプレッサーを直列にし、−60〜ー80℃にしたものがあります。とりあえず、2段直列のコンプレッサーにしたいところですが、その分、装置の価格が若干上がります。また、エネルギー効率も若干低下するため、消費電力量も幾分か多くなります。様々な用途に使う場合は、やはりトラップ温度がより低いものを持っておきたくなります。

もう一つ、トラップに氷がたくさんついてくると、その氷の表面温度はその氷の暑さにより徐々に高くなります。例えば、トラップ温度が−40℃の場合、氷が冷却したトラップに付くにつれ、その氷の表面温度はもはや−40℃を保っていません。これは常にトラップに氷が付いていき、この時に水分が熱を発生するためです。したがって、氷がたくさんつ付いても乾燥スピードを遅らせたくないのであれば、なるべく低い温度のトラップを選択したほうが良いということになります。

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